やんきーかんとくのひとりごと

3人の息子達とヤンキース…ぼちぼちと綴っています

母校、甲子園に行く(準々決勝詳細編)

第9回高校野球秋季大阪大会
2016.10.8
準々決勝第二試合
今宮高校vs上宮太子


第二試合は今宮と上宮太子の試合です。



今宮は昨秋の5回戦進出に続き、今年の秋はそれを越える8強入りと近年はチーム力をじわじわとつけている印象があります。



何よりも勝ち上がりが強烈。4回戦、春に大阪桐蔭を苦しめた左腕エースの巻が残る上宮を接戦で下すと、翌日の5回戦はエースの連投の疲労をついたか、序盤から大商大を圧倒し、そのままコールドで決めた。どの一戦も初回の先制攻撃が効いた展開で試合を優位に進める攻撃型のチームといった印象だ。



そんな今宮の打線を抑えて、ペースを持って行きたいのは上宮太子側。エース森田の立ち上がりの投球にこの試合の命運がかかっているか?



先攻は今宮で始まったこの試合。先に守る上宮太子がそれぞれ守備位置に就く。やはり、先制攻撃で流れを持って行きたいのか…もしかすると、今宮が先攻後攻を決める際に先攻を取った可能性もあるか。



打席には核弾頭の吉野が立つ。この吉野の結果次第でこの試合の行方も大きく左右しそうな予感すらある。



吉野は初球から積極的に振っていく。打球は快音を残し、痛烈な当たりもファーストの守備範囲。しかし、初球から振っていく積極性と打球の速さは、やはり打撃のチームといった印象だ。



当たりは捉えられていたが、結果的に1球で一つ目のアウトを取ることができて落ち着いたか、森田は後続をストライク先行の投球で抑えこんでいく。



初回はテンポ良く2つの三振を奪う投球だったが、ここまで初回の先制パンチをかます今宮の打線を三者凡退に抑える。この試合を行方を占う大事なイニングだという認識があったのだろう。大事な立ち上がりを乗り切って一声出しながらベンチへ引き揚げる。



今宮の先発は松尾。セットから始動し、ややスリークォーター気味の投球フォームの左腕。



上宮太子の1番坂中にヒットを許すと、2番木岡の送りバント時に送球が逸れてオールセーフとなり、走者を溜める厳しい立ち上がりとなる。



満塁のピンチを招くが、上宮太子の打線の打ち損じなどにも助けられて、初回を無失点で乗り切る。ここから、自慢の攻撃でペースを掴んでいきたいところだが、上宮太子のエースの森田からエラーによるランナーを出すのがやっとで二塁ベースすら踏めない。



すると、3回裏、1アウトから3番中山が四球で出塁した後に4番折出が腕を精一杯伸ばして振り切った打球は風の影響もあったのかフェンス際まで飛んでいくレフト線ツーベースで上宮太子が1点を先制する。この後、2アウトになるも、相手のエラー、センターへのポテンヒットとツキも重なり、さらに2点を追加し3点目が入る。



3点目が嫌な形で入っている今宮はここで伝令をベンチから送って間を取る。この間もベンチからはマネージャーを中心に「笑って、笑って」の声が飛ぶ。やはり、最近の高校生の気質なのか、この前の渋谷、第一試合の池田と『常笑』を掲げるチームが多いように見受けられる。確かにここまで今宮は無失点で凌いだイニングもどこか硬い印象は受ける。リラックスしたムードが欲しい場面だが、この回はなんとか3点だけで終える。



上宮太子に先制を許し、試合も動き、打順も一巡したところで今宮も自慢の打力を披露したいところ。2アウトから4番の武本が初球を振りぬきセンター前へ運びチーム初ヒットも後が続かない。



これ以上、離されたくない今宮だが、再び上位打線から始まる上宮太子の打者に対して、ボール先行または粘られる苦しい投球となり、またもピンチを招いてしまう。なんとか、2アウトまで漕ぎ着けるが、5番川崎に死球を与えた後に押し出しの四球で痛い追加点を与えてしまう。



すると、7番平田が左中間を破るスリーベース、8番村上がセンター前への連続タイムリーが飛び出し、歯止めが利かなくなり、4回裏は5点入り一気に上宮太子が点差を広げる。



5回裏から松尾に代えて、今宮は同じ左腕の堂本をマウンドへ送る。



同じ左腕だが、先発の松尾よりも純粋なオーバースロータイプでスローボールも織り交ぜる投球。この堂本の投球で相手の流れを断ち切りたい今宮だが、堂本も立ち上がりの影響か相手に呑まれたかストライクが入らず、ボール先行の苦しい投球となり、一つアウトを取るものの3四球で満塁のピンチを招いてしまう。



ようやく、ストライクに来て5番川崎が初球を打ちにいき、打ち取った当たりになるも、これがレフト線のフェアグラウンドへぽとりと落ちるヒットに。上宮太子に1点が入り、これで9点目。あと1点入れば、その時点で5回コールドが成立してしまう。なおも、1アウト満塁という場面。



今宮にとっては一つのミスも許されない絶体絶命の状況で投手を堂本から林に交代する。



ヒットや犠牲フライはもちろん、四死球、ワイルドピッチなども許されない場面で右のオーバースローの林で力で押し切るのに賭けた今宮、内野も前よりの守備位置でホームゲッツー体勢。



6番前田が打った打球はセカンド方向へ転がる!



だが、これは一二塁間は抜けずに今宮のセカンド大宅の守備範囲。すぐさま、ホームへ送球するが…



この送球が逸れてしまい、慌てて捕手の小野がホームベースを踏み直すが、タイミングはセーフ!上宮太子に10点目が入り、サヨナラで5回コールドゲームが成立。



準決勝進出を決めたのは上宮太子。1回、2回と攻めきれずもどかしい展開だったが、3回、4回と相手の四球で得たチャンスから畳み掛けた攻撃で一気に流れを手繰り寄せた。第一試合で勝利した初芝立命館と準決勝を戦うことに。



敗れた今宮はこの日は上宮太子の前にいいところなしで終わってしまったが、それまでの勝ち上がりは8強に残ったチームの中では強烈な印象を与えたことだろう。この日はここまで粘りの投球を見せたエース松尾が粘りきれなかったり、ボール先行の苦しい投球でリズムに乗れなかったのも痛かった。だが、ここまでリズムを作った攻撃が機能しなかったのも要因の一つだろう。大敗だったが、課題は明白のはずだ。一冬越えて課題を克服した時、来年も上位に顔を出すチームになっているだろう。来春の戦いぶりに期待。



その今宮のリズムを作らせなかったのはエース森田の見事な投球だ。立ち上がりから今宮の投手陣とは対照的にストライク先行で真っ直ぐも変化も切れていて、今宮の上位打線を中心にバットが空を切っていたのが印象的だった。また、春に見た時に比べ、コンパクトな投球フォームに少々溜めを加えたことで球速、キレが増しただろうか。果たして、この投球がもう一つ上のレベルでも通用するかどうか。一週間後が楽しみなこの日の投球だった。


【かるたーさんとかのblog】より引用させて頂きました^ ^
快く承認頂きありがとうございました😌
http://blog.livedoor.jp/masakinokaruta_/archives/1061873138.html